イメージ通りの仕上がり
チラシに載っていないことでもご相談ください、という文言から日々の問い合わせの内容は多岐にわたっています。そんななか先日の案件は上下二段の和ダンスの上段部分を改造できないかという問い合わせでした。和ダンスというのは上下に分かれているものは上部に観音開きの扉があり、中に和服に必要なものなどをしまえる幅の広い引き出しが数段内蔵されているものがほとんどで今回のご依頼もそのようなものでした。(因みに下段は同様に幅広ですが深さもある引き出しだけになっているものが多いです。)作業開始を開始し扉を外し、中の仕切りと引き出しをすべて外し伽藍洞にしてハンガーパイプを取り付けてほしいという事でした。聞いただけなら簡単そうですが、和ダンスというのは各パーツの接合部がタッカーの小さな釘などでがちがちに固定されていることが多い上に主要な棚板などはダボという木製の継ぎ部材になっているため解体にすこし手間がかかります。そのためある程度作業スペースが必要になるのですが、そのお宅は納戸のような細長い狭い部屋の中しか作業スペースがなくしかも周りはハンガーにかかった洋服だらけという状況でした。見積もりに伺った際にどのように作業をできるかイメージして、捨てずに活用したいというお客様の想いをかなえるために最適な価格で無理なく作業にするにはどうすればいいのかと考えたうえで依頼を受けることにしました。しつこいくらいに解体途中で再利用できない事態に直面することなどを理解していただき作業当日を迎えました。幸いにも最小ダメージで解体することができ、お客様からも「イメージ通りの仕上がり」になったと興奮気味に最終確認をして頂いたのを今でも覚えています。お客様の希望を叶えるというのは簡単なようで非常に難しいものだとわかったうえで受けた仕事でしたが、予想以上だったと感謝の言葉をいただけた時はこの仕事を受けてよかったと思いました。これで宣伝文句に偽りなしといことが証明できました。